謎解きデータサイエンス 「百人一首 ―女性歌人の和歌と人生―」
「梅に鶯」「紅葉に鹿」など「美の型」に満ちた和歌の世界。いにしえの歌人たちは、そんな表現の型を身につけながら新たな歌を生み出しました。平安朝の女性貴族たちも、それぞれの身分や立場で歌を詠み、人生を送っていたのです。本講座では、彼女たちの頭の中にあった「美の型」をデータサイエンスで解明し、その表現を通して人生に迫ります。
講師
福田 智子(ふくだ ともこ) 同志社大学 文化情報学部 教授
福岡女子大学文学部国文学科卒業、九州大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。九州大学大学院人文科学研究院助手、同志社大学文化情報学部専任講師、同准教授を経て、現職。専門は平安文学・和歌文学。和歌文学会、中古文学会、全国大学国語国文学会会員。また、情報科学研究者との共同研究で、文字列解析ツールの開発や和歌のデータベース構築にも取り組む。著作には、『平安中期私家集論―歌人・伝本・表現―』(単著・勉誠出版、2007年)、『恵慶百首全釈』『順百首全釈』『好忠百首全釈』(筑紫平安文学会著、風間書房、2008・2013・2018年)他がある。近年は香道にも興味を持ち、著作『竹幽文庫の香道伝書 香道調度図・香道籬之菊』(共著、淡交社、2020年)を刊行。
日程
開催回 | 開催日 | 開催時間 |
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第1回 | 2023年5月15日(月曜日) | 13:30~15:00 |
第2回 | 2023年6月19日(月曜日) | |
第3回 | 2023年7月10日(月曜日) | |
第4回 | 2023年8月21日(月曜日) | |
第5回 | 2023年9月11日(月曜日) |
第1回 5月15日(月) 「伊勢 ―華麗なる恋の秘訣―」
中流貴族の娘として生まれた伊勢は、宇多天皇の中宮温子に仕えた女房です。温子の兄との恋愛はともかく、宇多天皇の寵愛を受けて皇子を生み、さらに宇多天皇の皇子、敦慶親王との間に娘を生みました。『源氏物語』桐壺巻で紀貫之と並び称され、「逢はでこの世を過ぐしてよとや」と詠んだ人生を、当時の身分制社会を背景に探ります。
第2回 6月19日(月) 「紫式部 ―屈折した心のゆくえ―」
『源氏物語』の作者として名高い紫式部。でも、歌人としての名声は、もっと後の時代に、『源氏物語』が和歌詠作の参考書としての地位を獲得するのを待たねばなりません。主導したのは、藤原俊成・定家でした。我が国初の勅撰和歌集『古今和歌集』から約百年、紫式部の心と言葉が紡ぎ出した新たな「美」の世界を紐解きます。
第3回 7月10日(月) 「赤染衛門 ―『寝なまし月』の系譜―」
実は平兼盛の娘では?という出生の秘密をもつ赤染衛門。とはいえそれは、彼女の優れた和歌の才能を、一流歌人を父にもつことに求めた誰かが言い出したことかもしれません。そんな噂をよそに、良妻賢母の誉れ高い人生を送った彼女の百人一首歌は、「寝なまし月」という語句に縮約され、後世に継承されていくのです。
第4回 8月21日(月) 「伊勢大輔 ―重代歌人の誇り―」
伊勢大輔は、もともとは伊勢神宮の祭主の家系で、姓は大中臣といいます。曽祖父の頼基、祖父の能宣、父の輔親と続く、重代の歌人です。中宮彰子にお仕えしましたが、先輩に紫式部がいました。そのとき、紫式部は、新参者の伊勢大輔にどのように接したのでしょうか。そして、伊勢大輔がデビュー戦で感じたプレッシャーとは?
第5回 9月11日(月) 「式子内親王 ―『忍ぶる恋』の真実―」
『百人一首』の女性歌人の恋歌は、総じて語気が強いといわれます。式子内親王の歌にもそんな強さがありますが、それは本音なのでしょうか?内親王は生涯独身を貫くのが常だった当時、世情も混乱する中で、心に射す一筋の光明が、藤原俊成に師事した和歌でした。彼女が生涯をかけて獲得した歌人としてのプロ意識に迫ります。
- より理解を深めるための -福田先生推奨書籍-
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- 『一冊でわかる百人一首』
- 吉海直人著(成美堂出版/2006)
- 『はじめての王朝文化辞典』
- 川村裕子著(KADOKAWA/2022)
- 『和歌のルール』
- 渡部泰明(編)和歌文学会(監修)(笠間書院/2014)
開催概要
回数 | 全5回 |
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日時・会場 |
2023年5月15日、6月19日、 7月10日、8月21日、9月11日(すべて月曜日) 13:30~15:00 同志社大学東京サテライト・キャンパス セミナー室 〒104-0031 東京都中央区京橋2丁目7番19号 京橋イーストビル3階 ※「東京」駅八重洲南口から徒歩6分 、地下鉄 東京メトロ銀座線「京橋」駅 6番出口から徒歩1分。みずほ銀行脇の入口からお入りください。 Map |
受講料お支払い | 15,000円 一括のみ |
お支払い | 初回の受付でお支払いください。 |
定員 | 52名 |
お申込み締切り |
※現在引き続きお申込みを受付しております。 |
受講に関するご案内 |
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お問合せ先 |
同志社大学東京オフィス(平日 9:00~17:00) TEL:03-6228-7260 E-mail:ji-toky1@mail.doshisha.ac.jp |
同志社講座 源氏物語を楽しむ 「夕顔の巻を読む」 和歌に学ぶ「万葉植物の歌を鑑賞する」 日本近現代史に学ぶ 「21世紀の天皇制と皇室」 源氏物語を楽しむ 「夕顔の巻を読む」 謎解きデータサイエンス 「百人一首 ―女性歌人の和歌と人生―」 研究者の視座に学ぶ 「Z世代のアメリカ ― いま・未来」 日本近現代史に学ぶ 「21世紀の国家戦略と私たちの社会」 |