京都人の視点で読む『源氏物語』「末摘花の巻」

この夏、「ぶぶ漬(づ)けどうどす」という映画が封切られました。「ぶぶ漬け」とはお茶漬けのことです。昔はどの家にも糠(ぬか)漬けがあり、炊いたご飯があればすぐに用意できます。表の意味は「お茶漬けぐらいなら用意できますが、召し上がりますか」ですが、裏の意味は「早(はよ)うお帰りやす」とされています。けれども、このセリフが京都で言われることはなく、都市伝説かもしれません。この講座では、ほんまの京都についてお話します。
この巻では末摘花(すえつむはな)の君が初登場します。当時の美人の第一条件は、黒髪の長さと豊かさです。彼女の場合それは満たしていますが、ほかは…と皮肉な設定です。さすがの光源氏も愛想が尽きました。もし彼がただの色好みならば、彼女を捨ててしまいます。しかし光源氏は好きでない女性でも、その人が自分を一途に思うならば見捨てず、生活の面倒を一生保証します。この二人の出会いから見ていきましょう。
講師
岩坪 健 (いわつぼ たけし) 同志社大学文学部 教授
文学博士。1957年京都市生まれ。1981年京都大学文学部国語学国文学科卒。1989年大阪大学大学院文学研究博士後期課程単位取得退学。1991年「源氏物語古注釈の研究-中世源氏学の流れ-」で文学博士。同志社大学宮廷文化研究センター長。
受賞歴:1989年「源氏物語の二段階伝授について-河内方と四辻善成・一条兼良をめぐって」で第16回日本古典文学会賞受賞。2014年『源氏物語の享受 注釈・梗概・絵画・華道』で第15回紫式部学術賞を受賞。
著書:『光源氏とティータイム』(新典社/2008)、『ウラ日本文学-古典文学の舞台裏-』(新典社/2011)、『錦絵で楽しむ源氏絵物語』編著(和泉書院/2012)」、『源氏物語といけばな』(平凡社/2019)、『「三玉挑事抄」注釈』(和泉書院/2019)など多数。
関連情報 |
講師が語る 源氏物語の魅力と楽しみ方(前編) 源氏物語研究の第一人者に源氏物語の魅力を伺います。 |
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講師が語る 源氏物語の魅力と楽しみ方(後編) 源氏物語研究の第一人者に源氏物語の魅力を伺います。 |
開催概要
日時 | 2025年 10/9、 11/13、 12/11 、 2026年 1/8、 2/19、 3/12 (全6回) すべて木曜日 13:00~14:30 |
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会場 |
同志社大学東京サテライト・キャンパス セミナー室 ※「東京」駅八重洲南口から徒歩6分 、地下鉄 東京メトロ銀座線「京橋」駅 6番出口から徒歩1分。みずほ銀行脇の入口からお入りください。 Map |
受講料 |
18,000円 (一括のみ) ※教材費は含みません |
お支払い | ・初回の受付でお支払いください。(クレジットカードおよび現金でのお支払いが可能です) ・いったん納入された受講料は返還いたしませんのでご注意ください。 |
定員 | 52名 |
お申込み締切り |
10月1日(水) 17:00 ※この日満席でなければ、引き続きお申込みを受付けます。 |
抽選(満席となった場合) | 上記締切日までに定員以上のお申込みがあった場合は、抽選にて受講者を決定いたします。 |
受講確定 (抽選結果のお知らせ) |
受講確定(抽選の場合あり)のお知らせはお申し込み時にいただいた連絡先メールアドレスあてに、10月2日(木)以降の通知を予定しています。10月6日(月)までにメールが届かない場合は東京オフィスまでお問合せください。なお、欠員待ちは行っておりません。また、受講票の発送はございません。 |
受講に関するご案内 |
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お問合せ先 |
同志社大学東京オフィス(平日 9:00~17:00) TEL:03-6228-7260 E-mail:ji-toky1@mail.doshisha.ac.jp 受講に際してのご要望(座席指定や車いす誘導など)がございましたら、お問合せください(場合によってはご希望に沿えないこともありますので、予めご了承ください)。 |