研究者と考える
「変わる世界地図」
2021年の8月、アメリカはアフガニスタンから撤退しタリバン政権が復活した。2022年2月、ロシアはウクライナ侵攻を開始し、両国は激しい戦闘に陥った。世界の秩序が根底から揺らぐ今、変わる世界地図を問い直してみよう。

山本 忠通(撮影:三好妙心)
講師
山本 忠通(やまもと ただみち)同志社大学 客員教授
*第1回担当
東京工業大学卒業後外務省入省。英国オックスフォード大学卒業。外交官。外務大臣秘書官、北米第一課長、在韓国及び在米国公使、ボストン総領事、外務省広報文化交流部長、ユネスコ常駐代表(特命全権大使)、アフガニスタン・パキスタン支援担当政府代表、ハンガリー駐箚特命全権大使。2014年国連勤務。2016年6月から2020年3月までアフガニスタン担当の国連事務総長特別代表。著書に『アフガニスタンの教訓 挑戦される国際社会』内藤正典共著(集英社新書/2022)。

内藤 正典
講師
内藤 正典(ないとう まさのり)同志社大学大学院 グローバル・スタディーズ研究科 教授
*第2回担当
博士(社会学)。東京大学教養学部教養学科(科学史・科学哲学分科)卒、東京大学大学院理学系研究科地理学専攻中退。一橋大学教授を経て、2010年から同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専門は、国際移動論、現代イスラーム地域研究、多文化共生論。著書に『教えて!タリバンのこと』(ミシマ社/2022)、メールマガジン「内藤正典のTwitterでは書けなかったこと」連載中。

村田雄二郎
講師
村田 雄二郎(むらた ゆうじろう)同志社大学大学院 グローバル・スタディーズ研究科 教授
*第3回担当
東京大学教養学部卒、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科教授を経て2018年より現職。東京大学名誉教授。日本学術会議連携会員、中国研究所理事。1990-91年北京日本学研究センター講師。1999-00年ハーバード・イエンチン研究所客員研究員。専門は、中国近現代史、日中関係史。近書に『語言•民族•国家•歴史─村田雄二郎中国研究文集』(重慶出版社/2020)

南川 文里
講師
南川 文里(みなみかわ ふみのり)同志社大学大学院 グローバル・スタディーズ研究科 教授
*第4回担当
博士(社会学)。一橋大学社会学部卒、一橋大学大学院社会学研究科博士課程後期課程単位取得退学。神戸市外国語大学准教授、立命館大学教授などを経て2022年4月より現職。専門は、社会学・アメリカ研究。著書に『未完の多文化主義̶̶アメリカにおける人種、 国家、多様性』(東京大学出版会/2021)、『アメリカ多文化社会論[新版]「多からなる一」の系譜と現在』(法律文化社/2022)

三牧 聖子
講師
三牧 聖子(みまき せいこ)同志社大学大学院 グローバル・スタディーズ研究科 准教授
*第5回担当
東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。専門は国際関係論、アメリカ外交史。早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズ・ホプキンズ大学研究員、高崎経済大学准教授等を経て現職。著書に『戦争違法化運動の時代』(名古屋大学出版会/2014、アメリカ学会清水博賞)、共訳・解説『リベラリズム-失われた歴史と現在』(青土社/2020)、共著『私たちが声を上げるとき-アメリカを変えた10の問い』(集英社/2022)
日程
開催回 | 開催日 | 開催時間 |
---|---|---|
第1回 | 2022年10月14日(金曜日) | 18:30~20:00 |
第2回 | 2022年10月28日(金曜日) | |
第3回 | 2022年11月18日(金曜日) | |
第4回 | 2022年12月2日(金曜日) | |
第5回 | 2022年12月16日(金曜日) |
第1回 10月14日(金)「アフガニスタンと国際社会」 講師 山本 忠通
タリバン制圧から1年以上経つが、制圧直後に約束された包摂的な政府も女性の権利も満足に実現されていない。人道的危機をも抱え、国際社会で孤立するアフガニスタン。国際社会の支援はどうして上手く行かなかったのか。再びテロの温床となる心配はないのか。アフガニスタンの視点も踏まえ、国際社会の対応を考える。第2回 10月28日(金)「イスラム世界と欧米諸国のいま」 講師 内藤 正典
西欧とイスラムの関係は何も改善してはいない。ウクライナからの難民が殺到する前、シリア、アフガニスタン、イラクなどから多くのムスリムが流入したことで、ヨーロッパ社会にはイスラムへの嫌悪が高まり、中東諸国との関係も悪化した。この間、何が起きていたのかを西欧とイスラム世界の接点に位置するトルコという国から検証する。第3回 11月18日(金)「プーチンと習近平の比較論から見るロシアと中国という国家」 講師 村田 雄二郎
ロシアのウクライナ侵攻の背景には、NATO拡大への懸念に加えて、プーチン大統領の「大ロシア」復活の野望や「ユーラシア主義」という思想的水脈があると指摘される。それは中国共産党の習近平総書記が唱導する「中華民族の偉大な復興」と多くの点で相似する。一筋縄ではいかない中ソ(露)関係の歴史をふまえつつ、二人の国家指導者の比較論を試みる。第4回 12月2日(金)「移民国家アメリカを問いなおす」 講師 南川 文里
アメリカ合衆国は、国外からの移民も国民物語の一部と見なす「移民の国」と考えられてきたが、その像は、排外主義的なトランプ政権の成立や新型コロナ危機に直面して、大きく動揺している。「移民の国」というアメリカ特有の自画像は、どのようにして成立し、何をもたらしてきたのだろうか。その可能性と困難について考えたい。第5回 12月16日(金)「『例外国家』の終焉?―変わる世界、変わる米国」 講師 三牧 聖子
「何十年も米国は自らの経済を犠牲にして外国を豊かにし、自国兵士を犠牲にして他国を守ってきました。-今後は米国第一です」。2017年、こう述べてトランプが大統領に就任した。「米国第一」は現バイデン政権の外交も根強く規定している。歴史上、米国は自らを世界史の「例外国家」と位置付け、そうした使命感に基づく外交を展開してきたが、今日の米国は自信を失い、特に若者層にはナショナル・アイデンティティの根本的な変容が起こっている。米国の変容が国際秩序にどのように影響するかを考察する。開催概要
回数 | 全5回 |
---|---|
日時・会場 | 2022年10月14日、10月28日、11月18日、12月2日、12月16日(すべて金曜日) 18:30~20:00 同志社大学東京サテライト・キャンパス セミナー室 〒104-0031 東京都中央区京橋2丁目7番19号 京橋イーストビル3階
|
受講料 | 15,000円 一括のみ |
お支払い | 初回の受付でお支払いください。 |
定員 | 36名 |
受講に関するご案内 | ●新型コロナウイルス感染拡大をはじめとする不測の事態の際はオンライン形式に変更する場合がございます。予めご了承ください。※オンライン形式による受講に関する要領は、「●オンライン受講について」をご確認ください。
●お申込み受付・受講確定
(注)所定の人数に達しないなどの理由で開講しない場合があります。
●受講料のお支払い
●キャンセル
●教材
●修了証
●欠席
●その他のお願い
●オンライン受講について 同志社講座は、同志社大学東京サテライト・キャンパスにおいて対面形式で開講いたします。ただし、新型コロナウイルス感染拡大をはじめとする不測の事態の際はオンライン形式に変更する場合がございます。 また、受講生の皆様のご都合やご事情により、オンライン形式での受講をご希望される場合は予めご連絡ください。可能な範囲でご対応いたします。(※ご対応できない場合もございます。予めご了承ください。) ■オンライン形式による受講に関するご注意
※同志社大学東京オフィスでは、機器の貸出しや技術支援はできません。ご了承ください。
●「個人情報の取り扱いについて」 お申込みに際してご提供いただく個人情報は、個人情報の保護に関する法律及び本学が定める「個人情報保護の基本方針」、「同志社個人情報保護規程」等に基づき、適正に取り扱います。お預かりした個人情報は、同志社講座ならびに同志社大学からのご案内に利用させていただき、ご本人の同意なく、法令上認められている次の場合を除いて第三者に提供いたしません。 ・ご本人の同意を得た場合 ・利用目的の達成に必要な範囲内で、同志社大学の業務委託先(再委託先を含みます)に個人情報の取扱いの全部又は一部を委託することに伴って当該個人情報を提供する場合 ・上記の他、法令に基づき開示、提供することが求められた場合 |
お問合せ先 | 同志社大学東京オフィス(平日 9:00~17:00) TEL:03-6228-7260 E-mail:ji-toky1@mail.doshisha.ac.jp |